攻撃的な治療や経過観察が不要に
いままでがんだと思われていた、甲状腺に出来る悪性腫瘍が病理的分類の最新情報で「非がん(がんではない)」扱いになって、患者は「がんから解放」されることに。
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研究結果から、これまで甲状腺がんと見なされてきた「encapsulated thyroid tumors(被嚢性の甲状腺濾胞型乳頭癌:癌腫の一種)」をがんの分類から除外したと発表しました。
腫瘍が「がんではなく良性腫」なら、攻撃的な治療や経過観察が不要になるので「被嚢性の甲状腺濾胞型乳頭癌」と診断された患者にとって、朗報です。
この研究は学術専門誌「JAMA Oncology」に発表されました。
今回の決定にともない、両学会では、encapsulated thyroid tumorsの病名を「carcinoma(癌腫・がんしゆ)」から、非がんの「NIFTP(noninvasive follicular thyroid neoplasm with papillary-like nuclear features)」に変更しました。
全世界の医師に、がんではないという共通認識をもたせる意図も
米国では、主要な医療機関では、「被嚢性の甲状腺濾胞型乳頭癌」患者に関しては、すでに、ほかのがん患者のような攻撃的な治療法を取ることは行われなくなっていました。
しかし、患者へのこうした扱いは、必ずしも全世界の医療現場で共通したものとなってはいません。
今回の専門誌を通じた論文発表は、全世界の医師に、encapsulated thyroid tumorsは「がんではない」という共通認識をもたせるという意図も含まれるそうです。
全世界の医師に共通認識をもたせることで、
・患者が不要な「がん治療」でつかれきるのをふせぐ
・各国の不要で巨額ながん医療支出を削減する
のを実現するために。
日本での対応はご担当の医師にご確認・ご相談を
「米国では、主要な医療機関では、「被嚢性の甲状腺濾胞型乳頭癌」患者に関しては、すでに、ほかのがん患者のような攻撃的な治療法を取ることは行われなくなっていた」
ということですが、日本の各医療機関での対応については不明です。
ご自分の病名・症状が「被嚢性の甲状腺濾胞型乳頭癌」ではないかと思われる方は、ご担当の医師にご確認・ご相談を。
*encapsulated thyroid tumorsを直訳すれば「被包性甲状腺腫瘍」となりますが、専門的には「被嚢性の甲状腺濾胞型乳頭癌」と訳されているようです。
参照:Source: doi:10.1001/jamaoncol.2016.0386、http://business.newsln.jp/、「被嚢性の甲状腺濾胞型乳頭癌がガン分類から最近除外された事について知っておくべきこと」ほか
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