統計検討・研究でわかったこと
米国タフツ大学フリードマン学校のMozaffarian氏らの、
統計検討・研究でわかったのは、以下2点でした。
1、油を変えれば世界の冠動脈疾患死100万件が防げる
2、飽和脂肪酸(SFA)をとる量を減らそうとするより
ω-6多価不飽和脂肪酸(PUFA)をとる量を増やすことのほうが効果がある
ひらたくいうと、
①サフラワー油やヒマワリ油,コーン油,ごま油などの植物油,ナッツ類,脂肪の多い魚類などが「冠動脈疾患をふせぐ」ことがはっきりした。
②肉類やチーズなどの乳脂肪を含む製品,パーム油,ココナツ油などを減らそうとするより、①の食品を多くとるように努めるほうが冠動脈疾患死を防ぐには効果がある。 |
ってことなんですね。
狭心症、心筋梗塞:冠動脈疾患での死亡を『油』でふせぐ
冠動脈疾患をふせぐには、
「PUFAを多めに、TFAは取りすぎず、TFAはできるだけ減らす」
のがいいらしいとは、だいぶ前からいわれてきましたが、
統計研究で、はっきりしたのは今年(2016年)の5月でした。
狭心症、心筋梗塞:冠動脈疾患ってどんな病気?
心筋には酸素をたっぷり含んだ血液が、生きてるかぎり常に必要ですが、
心臓にこの血液を運ぶのが冠動脈です。
動脈硬化によって冠動脈が狭窄・閉塞したとき、その心筋への血液量が減ったり、まったく届かなくなったりする病気を冠動脈疾患といいます。
狭窄する(血管が狭くなる)と狭心症、
閉塞する(血管が詰まって血液が通れない)と心筋梗塞になります。。
*冠動脈と冠状動脈は同じです。
英語ではCoronary Artery。冠動脈または冠状動脈と訳されます。
なので、「冠動脈と冠状動脈」は同じです。
PUFA、SFA、TFAっていったいなんなの?
ところで、PUFA、SFA、TFAっていったいなんなのか、おぼえきれないので、おさらいします。
PUFA
PUFAは、日本語では「ω-6多価不飽和脂肪酸」。
サフラワー油やヒマワリ油,コーン油,ごま油などの植物油,ナッツ類,脂肪の多い魚類などに豊富にふくまれてます。
SFA(飽和脂肪酸)
SFA(飽和脂肪酸)は,
肉類やチーズなどの乳脂肪を含む製品,パーム油,ココナツ油などに多くふくまれてます。
TFA(トランス脂肪酸)
TFA(トランス脂肪酸)は,
主に酸化しにくいSFAの製造過程で生じる副産物。
パンや菓子類,揚げ物などの加工食品の原料として使用される他,一部の国では料理用油としても流通してます。
マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングに多く含まれますが、
バター、植物油などにも少量ふくまれてます。
取りすぎると冠動脈疾患になります。
「PUFA」は体にいいけれど高カロリー。
「肉類やチーズなどの乳脂肪を含む製品,パーム油,ココナツ油などを減らそうとするより、①の食品を多くとるように努めるほうが冠動脈疾患死を防ぐには効果がある」とはいえ、これはあくまでも統計理論ではそうなるということ。
効果を求めるあまり、食べ過ぎて肥満したら逆に不健康。
クスリだって多すぎれば毒に変わります。
効果の認められた新鮮なものをほどほどに、たのしみながら取りたいですね。
中年以降は一度太ると、元の体重にもどすのが大変です。
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冠動脈疾患死亡率統計: 性別や人種によって差がありますが、20歳以上の約5~9%。 この死亡率は年齢とともに高くなります。 35~55歳では女性より男性の方が高いのですが、 |
参照:J Am Heart Assoc(2016; 5: e002891)、健康・公衆衛生 、その他
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