「うがい」で、風邪・インフルエンザどれだけ防げる?

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うがいで風邪・インフルエンザ防衛

うがい 効果

風邪・インフルエンザの予防で、うがいは手洗い以上に有効か

風邪やインフルエンザの予防に「手洗い・うがい」の効果はよく知られています。

とりわけ「うがい」は、
「手洗い」以上に有効だという医師もいます。

でも、なぜか海外では、
「手洗い」の指導はあるのに「うがい」についてはあまりないそう。

「日本以外でうがいの習慣がほとんどないのは、海外では水道水でも微生物だらけ」
だからだという説もあります。

たしかに、
日本ではどこでも安心して口にできる水道水ですが、
海外では「飲める水」は買わなくてはならない国が大半みたいです。

ところで、
「水だけのうがい」でも40パーセントくらいは風邪を防げるそうです。
京都大学 川村教授のグループの「水とヨードでの実験」

 

どれがいいの?「水」と「ヨード」「緑茶」「紅茶」・・・

「水」と「ヨード」「塩水:生理食塩水 250ccの水に対して2g強」「緑茶」「紅茶」「ウーロン茶」「麦茶」「ハーブ茶」・・・

うがいでの風邪・インフルエンザ予防に、効果があるのは、どれでしょうか?

じつは、
「ヨードでのうがい」以外は、みんなそれなりに効果が期待できるようです。

たくさんありすぎて、
「なにでうがいしようか」とまよいましたが、書いているわたしは、
ほとんど「水と紅茶と緑茶」でしています。

しっかりした研究報告があるので効果がかなり期待できるのと、
「水も紅茶も緑茶も」生活の中でいつも身近にあって、すぐ使えるから。

紅茶・緑茶は、少し高いのを奮発しても、
出がらしがうがい薬になるのでちょっと気が楽です。

紅茶については

医学博士 中山幹男氏の研究報告紅茶の殺菌、殺ウイルス効果が参考になりました。

うがいなら、紅茶の濃度は、ふつうに飲むときの5分の1の薄さでも効果があるそうです。

ただし、レモンティーはOKですが、
ミルクティーは、紅茶の有効成分のテアフラビンがミルク成分に取り込まれて働けなくなるので、効果がなくなるそう。

●効果的なうがいのしかた

①まず口の中をブクブクすすぎで「すすいで吐き捨て」を2、3回くらい。

②そのあと、水・紅茶・緑茶などでのどの奥までとどくように顔をすこしあお向けてガラガラうがいを数秒、そのつど吐き捨てながら2、3回くりかえします。

うがいを、日に3回以上するだけで、
風邪・インフルエンザから、
あなたを護る確率をグンと高められます。

「水」効果あり

●水とヨードでの実験

京都大学 川村教授のグループの実験:京都大学健康科学センター
「風邪の予防に水うがいが有効[1]」
医学誌「American Journal of Preventive Medicine」
2005年11月号に掲載

 

この研究では、02年から03年の風邪シーズンに、
日本全国18地域のボランティア387人を被験者として、
うがいがどれくらい風邪の予防になるのかを検証。

18歳~65歳まで387人のボランティアを

「うがいをしないグループ」
「水でうがいをするグループ」
「ヨードでうがいをするグループ」

の三つのグループに分けておこないました。

結果、水でうがいをしたグループでは、
しなかったグループと比べて風邪をひくリスクが40%も減少!

しかし、
「ヨードでうがいをするグループ」は、
「うがいをしないグループ」とほとんど同じ
だったのです。

【グラフ参照】

うがいの効果検証京都大学 川村教授

水うがいの効果検証:京都大学 川村教授グループ

つまり、
うがいは「水でしたとき」に効果があったのです。

 

紅茶・緑茶の効果

●「紅茶のインフルエンザに対する感染伝播阻止効果」

 

NPO 法人バイオメディカルサイエンス研究会
理事長特任研究主幹国立感染症 協力研究員
医学博士 中山幹男氏

*一部抜粋要約したものです。

お茶は、かなり昔中国から渡来し、漢方薬としても使われました。

効能は多彩で、カフェインによる覚醒作用、利尿作用、強心作用や
タンニンによる殺菌、粘膜の消炎作用などが知られています。

紅茶(発酵茶)では、
緑茶に含まれるカテキン成分が醗酵過程で変化、
テアフラビンという有効成分が生まれます。

このテアフラビンがインフルエンザの感染力を奪うことが分かりました。

紅茶には、また、咽頭粘膜の抗炎症作用もあり、
のどの痛みもかなり和らぎます。

ただし、ミルクティーでは、

READ  インフルエンザ|インフルエンザと風邪のちがいってなんなの?

紅茶の有効成分のテアフラビンがミルク成分に取り込まれ働けなくなるため
効果がないことが分かっています。
砂糖やレモンは入れても影響ありません。

実験はウイルスにお茶を作用させた検体を使い、
作用時間は 10 秒から一時間まで変化させ、

ウイルスは、

・ソ連かぜ(H1N1)
・ホンコンかぜ(H3N2)

などの A 型と、B 型を使用

昔のインフルエンザウイルスから
いま流行している新型ウイルスまで
たくさんの種類のインフルエンザウイルスを用いました。

●10 秒でウイルスを殺す紅茶の濃度

インフルエンザウイルスの感染性を
10 秒で100%失わせることの出来る紅茶の濃度は、

市販の紅茶を使った実験では
通常飲む紅茶の 5 分の 1 の薄さで十分でした。

【紅茶の効果の範囲】
インフルエンザウイルスは、
毎年抗原構造を変化させて登場します。

私たちのからだに、昨年のインフルエンザに対する免疫が出来ていても、
今年のインフルエンザウイルスには効力がないということがたびたびおこります。

紅茶の効果は、インフルエンザウイルスの生きた細胞に対する吸着能力を失わせるため、
すべての種類に効果が認められます。

新しく誕生した新型インフルエンザウイルスにも効き目は変わらないのです。


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*ウイルスの生死の調べ方(感染価の測定法)については、
掲載しきれないので、割愛しました。

ごらんになりたい方は、おてかずですが、
http://www.tea-a.gr.jp/pdf/111226.pdfをご参照ください。

厚生労働省発表では「うがい」は消えた

かつて厚生労働省発表にあった
「外出後の手洗い、うがいは一般的な感染症の予防のためにもお勧めします」
とあったのに、27年度からは、「うがい」についてふれていないそうです。

その理由を、

「鼻の粘膜表面にとりついたインフルエンザウイルスは、20~30分くらいで粘膜細胞内に侵入する。
ならば、「20~30分おきにうがい」をしなければ、うがいの効果は期待できないはず。
しかし、現実として、そんなにうがいばかりしてられないから、
うがいで侵入をブロックすることはできないからじゃないか」
と、推量している記事がありました。

う~ん。

京都大学 川村教授のグループの「水とヨードでの実験・風邪の予防に水うがいが有効」
とは、反対の意見ですね。

でも、とりついたウイルスの侵入の回数を減らすだけでも効果はあるのでは?
10回の攻撃を受けるより、6回の攻撃のほうが、からだの受ける痛手は少ないはず。

で、つづいて同記事は、

「「うがい」よりも、こまめに水分を摂って、口の中に入ってきたウイルスを胃に流し込んでしまうほうが良いと言う医師もいます。20分おきにうがいをすることはできないけれど、それぐらいの間隔で水を飲むことならできる」
と書いていました。

たしかに「20分おきに水やお茶を飲む」のはいいかもですね。
水分のこまめな補給は、免疫力も高めます。

ただ、免疫力を高める水分補給も、とりすぎは毒。

なので、
1回の量はかなりすくなめにしたほうがいいかもしれません。

水中毒症にならないためには、
「摂取量は1日1.5リットル~2リットル程度」といわれています。

水中毒症の症状は

・軽度の疲労感を感じるようになる
・頭痛や嘔吐の症状が出るようになる
・気分が不安定になり、神経過敏や注意散漫になる
・けいれん・昏睡(こんすい:意識を失って、眠り込む)の症状が出るようになる
・呼吸困難になり、死に至る

だそうです。こわいですね。

「うがいとこまめな水分補給を両方」がおすすめ

厚生労働省発表などでは「うがい」は消えたとはいえ、

「うがいの効果がない」としているわけではないですね。

すくなくとも、
うがいでウイルスなどが洗い流されるのは事実。

また、多くの医師がその効果を評価してもいるようです。

だったら、「うがいと、こまめな水分補給(1日2リットル以下で)を両方する」っていうのが、

より有効な防衛手段では。

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