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奥村謙教授、佐々木真吾准教授、石田祐司助教が執刀
弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座が2月1日、
「完全皮下除細動器S-ICD」で不整脈治療手術を2例実施し、2例とも成功しました。
手術が行われたのは青森県内に住む10代男性と60代男性。
奥村謙教授、佐々木真吾准教授、石田祐司助教が執刀に当たりました。
S-ICDは欧州で2008年、米国では12年から使用されており、手術には経験のある外国人医師が立ち会いました。
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「ICD」「S-ICD」除細動器ってなに?
「ICD」「S-ICD」除細動器は、共に、体内に置き、
・心室が異常に速く動く「心室頻拍」
・心室がけいれんする「心室細動」
これらの命にかかわる不整脈を検知すると、
本体とリード線で電気ショックを起こし、心臓のリズムを正常にもどしてくれる機器だ。
*S-ICDは2月1日から、健康保険が適用されました。
除細動器「ICD」と「S-ICD」のちがい
これまでの植え込み型除細動器「ICD」
これまでの植え込み型除細動器「ICD」では、肩口の本体から伸びるリード線を静脈内に通し、右心室内の筋肉につながる心臓内に取りつける。
なので、心臓血管内に生涯電極リードを留置しなければなりません。
完全皮下除細動器「S-ICD」
完全皮下除細動器「S-ICD」では、リード線は血管を通さずに、全て皮下に置いて心臓内に取りつけるので、
患者は血管内に電極リードを留置するというリスクから解放されます。
S-ICD利点|感染・機器交換時のリスクの軽減、傷が目立たない
これまでの「ICD」では、
肩口の本体から伸びるリード線を静脈内に通し右心室内の筋肉につなげるのに対し、
完全皮下除細動器「S-ICD」では、脇の下付近から伸ばしたリード線を心臓上部の皮下脂肪に入れます。
そのため、
・手術時の危険が減る
・植え込み後の敗血症など感染症リスクが減る
・術後の機器交換がしやすくなる
・手術後の傷が目立たない
などの利点があります。
同講座によると、
ICDは2~3%が植え込み後に細菌感染して、敗血症などを引き起こすうえ、
15年ほどたつと、リード線が劣化し断線などのトラブルが発生する場合もすくなくない。
また、機器交換の際、リードが心臓や血管に癒着して取れないケースもみられるという。
S-ICD|欠点は「ペースメーカー」機能がないこと
執刀した奥村謙教授は
「S-ICDは、心臓血管内に生涯電極リードを留置しなければならないというICDの弱点を克服した画期的デバイス(機器)。
今後普及していくと思う」と話しました。
ただ、S-ICDは、脈拍が遅い人の心臓のリズムを維持する「ペースメーカー」機能がないのが欠点だということです。
奥村教授は
「S-ICDが本当に適した患者の見きわめや、長期有効性の確認などは、今後検討していかなければならない」と指摘している。
佐々木准教授は
「糖尿病患者など感染リスクの高い人や、
心室頻拍や心室細動に対するショック治療だけを必要とする、若い人などに特に有用なのではないか」と述べました。
*弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座のICDの年間術数は約90例。
弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座
●弘前大学大学院医学研究科循環器腎臓内科学講座診療案内
*受診については、上記サイトに
「大学病院内の専門外来での診療は、専門医療を必要とする患者様のみ」と書かれています。
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