突発性難聴|ほっておくと全く聞こえなくなる危険が!

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とつぜん聞こえにくくなったら、すぐに医療機関へ

「ちかごろ、なんだか音が聞こえにくい」
そう感じたら、

「そのうち治るかも」
なんて軽くかんがえほっておかず、できるだけ早く設備の整った病院や耳鼻咽喉科専門医の診断を受けましょう。

もしそれが突発性難聴なら、たった、1、2週間ほどの放置で聴力が失われ、その多くはもとにもどせず、
「音のまったく聞こえない生活」が、あなたにやってくる可能性が高いのです。

音のまったく聞こえない生活は、聞こえるときの想像より、はるかに苦しいそうです。

さまざまな難聴

難聴には多くの種類がありますが、

難聴がおこる時期によって「先天性難聴」と「後天性難聴」に大きく分けられます。

症状は、

・低音が聞きにくい
・高音が聞きにくい
・母音は聞きとれるが子音が聞きとりにくい

など、さまざまです。

増えつつある「突発性難聴」

ある日突然、思い当たる原因もないのに、聞こえが悪くなる「突発性難聴」は、最近増える傾向にあります。

症状は、

・雑音がある
・耳が詰まった(こもった)感じがある

くわえて、耳鳴り、めまいや吐き気をともなうこともあります。

この症状は40~50歳代に多いのですが、もっと若い世代や高齢者、子どもにもみられます。

突発性難聴の原因

いまのところ突発性難聴の原因は不明のようです。

・ストレスや疲労
・内耳の循環不全
・ウイルス感染

などが原因であると考えられていますが、はっきりとはわかっていません。

ただ、近年患者数が増加傾向にあること、食生活や生活習慣の調査結果からは、偏った食事や睡眠不足、あふれる情報、忙しく、不規則でストレスの多いライフスタイルが、発症の引き金になっていると考えられています。

厚生省研究班を中心に行った突発性難聴の全国受療者数の調査では、
1993年は人口100万人あたり192.4人でしたが、と2011年には275人と、約1.5倍に増えています。

 

治療方法

治療は耳鼻咽喉科でおこないます。
治療方法には、ステロイド薬、循環改善薬、代謝賦活(たいしゃふかつ)薬、ビタミン剤などをつかいます。

他には、
・星状神経節の神経ブロック(交感神経を抑制して痛みの伝達をブロックする
・高気圧酸素療法(高気圧環境かにおいて高濃度の酸素を吸入)
なども行われます

治療後も、完全にもとどおりに聞こえるようになるとはかぎらないようですが、
治療が早ければ早いほど、聴力の快復度が高くなる可能性はふえるそうです。

 

手術:最新テクノロジーによる人工内耳

人工内耳 対外装置

人工内耳 対外装置

人工内耳体内部分

人工内耳体内部分

「人工内耳」は、「内耳の中に電極を入れて、周囲の聴神経を直接に電気刺激して聴覚をとりもどす」という人工臓器です。

補聴器が使えない、両側とも高度の難聴(90dB以上)の患者さんは、
これまで手話や唇の動きを読みとる読話、あるいは筆談をするほかありませんでした。

最新テクノロジーを利用したこの治療法の出現は、耳鼻科の歴史の中でも画期的なでき事なのです。

とはいえ、現在は、手術が完璧におこなえても完全に正常時と同じ聴力はもどらないようです。

日本では1987年から本格的に治療が開始され、すでに94年からは保険適応となって、これまでに5500人の方が治療を受けています。

*なお、保険適用は「両耳高度の難聴」にかぎられ、片耳では保険適用になりません

●人工内耳の地域別病院情報

人工内耳について、以下のサイトで詳細を掲載しています。
●日本耳鼻咽喉科学会
知ってください「人工内耳」のこと
 

骨伝導補聴器BAHA|片耳だけの難聴に

人工内耳は両耳とも90dB以上の高度難聴の方にしか適応されませんが、

片耳だけ聞こえなくなる突発性難聴、聴神経腫瘍、あるいは流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)など多くの疾患には、
聞こえない側からの聞き取りを可能にする骨伝導補聴器BAHAが開発されました。

その仕組みは、難聴側の耳の後ろに振動端子を手術によって埋め込み、頭蓋骨の骨伝導を利用して、反対側の正常な内耳に振動をつたえ、難聴側からの聞こえを良くするものです。
 

「騒音性難聴」や「ヘッドホン難聴」の患者も増えています

「騒音性難聴」や「ヘッドホン難聴」の患者も近年、増えています。

騒音性難聴は、工場やパチンコ店などで長期間働いて、長時間の騒音にくり返しさらされることで、始めは耳鳴りがおこります。
やがて徐々に聞こえが悪くなることから、職業性難聴とも呼ばれます。

また、ヘッドホン難聴は、高い音の音楽を、大音量で聞くことが原因とされています。

これらの難聴は、耳に大きな負担をかける音の振動で、

蝸牛(カタツムリの殻のような形の内耳の器官)の血液が滞ったり、感覚細胞の一部が脱落することで発症します。

この場合の難聴も快復が難しいので、日頃から耳を休ませる時間をもつなど、予防を心がけることが大切です。

参照:
エンパワーヘルスケア、http://www.tora-ear.jp/ほか

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