米国J&J社に7200万ドル(約80億円)の損害賠償支払い命令
医薬品・日用品大手メーカー「ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)社」に、7200万ドル(約80億円)の損害賠償支払い命令がでました。
出したのは、米ミズーリ州巡回裁判所の陪審です。
「『卵巣がん誘発の恐れがある成分・タルクの入ったベビーパウダー』などの製品を、警告表示なく数十年にわたり販売していた」
としての損害賠償請求が、ミズーリ州巡回裁判所だけで約10,000件起こされているのですが、
今回、7200万ドルの損害賠償支払い命令が出たのは、
長年にわたりJ&J社の「ベビーパウダー」「シャワートゥシャワー」を使いつづけた結果、卵巣がんで死亡した女性の家族が起こしていた訴訟でした。
同様の訴訟は、ミズーリ州だけではなくニュージャージー州でも200件起こされています。
いっぽう、J&J社の広報担当者は
「われわれは消費者の健康と安全性については十二分の責任をもっており、裁判の結果には失望している。原告の家族に対しては気の毒に思うが、化粧品用タルクの安全性は数十年におよぶ科学的証拠によって裏付けられていると確信している」とコメントしています。
この裁判の結果に、日本の大手トイレタリーメーカー(化粧品を中心にした日用品の製造会社)もおだやかではいられないようですが、
もっとびっくりしたのは、知らずに使ってきた私たちです。
専門家から卵巣がんの原因になる可能性があるとの指摘がある原料のタルクは、
「ベビーパウダー」「白粉(おしろい)」「ファンデーション」「口紅」「アイシャドウ」「保護クリーム」「フェイスマウス」「パック」など、広範囲につかわれているのですから。
タルク|専門家は卵巣がんの原因になる可能性があると指摘
かつて建材につかわれたアスベスト(石綿)の発ガン性については、
日本でも被害者が勝訴したニュースなどで、ご存じの方が多いとおもいます。
粉塵となったアスベストを吸入すると、呼吸器障害の「石綿症」や肺がんを引き起こす原因になります。潜伏期間は20~50年間という長期間です。
専門家から卵巣がんの原因になる可能性を指摘されているのは、
タルクが、その「1級発がん物質」指定のアスベスト(石綿)と、非常に似た構造式をもち(*、**参照)性質も似ているからなのです。
*タルク(滑石)
滑石(かっせき、talc、タルク)は、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる鉱物で、粘土鉱物の一種。子どものころ「ローセキ」として親しんだ方も。
タルクの組成式は Mg3Si4O10(OH)2 で、
アスベスト(石綿)の成分のひとつ蛇紋石が熱水変質した成分、あるいは苦灰石が接触変成した成分でできている。
**アスベスト(石綿)の成分がタルクになる化学反応式
蛇紋石 2Mg3Si2O5(OH)4 + 3CO2 → Mg3Si4O10(OH)2 + 3MgCO3 + 3H2O
苦灰石 3CaMg(CO3)2 + 4SiO2 + H2O → Mg3Si4O10(OH)2 + 3CaCO3 + 3CO2
タルクの安全性|日本でも20数年来論議が
タルクの安全性については日本でも20数年来論議がつづいていたのです。
化粧品につわれるタルクは滑石(かっせき)を微粉化したもので、白色顔料として使用されます。また同じ白色顔料の酸化チタンの、つや消しにも利用されています。
主成分はケイ酸マグネシウムで、化粧品には古くから白粉用、メイクアップ用の下地としてつかわれてきました。
①肌を白く見せる効果
②タルクを皮膚に塗ると滑りが良くなり、吸着力が上がるという効果
などがあります。
また、②の理由でコンドームの潤滑剤にもつかわれているそうです。
タルクと卵巣がん
卵巣がんで死亡したミズリー州の女性は、数十年にわたってタルク含有製品を使用していました。
タルクと卵巣がんとの関連については、1995年にアメリカのチャンドラー博士が
「タルクは卵巣がん、卵管繊維症、不妊の原因となる可能性がある」(医学誌JAMA)と、指摘。
また、
1930年代までは、手術用の手袋を使う時に滑りをよくするために、タルクを手袋に付着させていましたが、
術後の患者が肉芽腫性腹膜炎などを起こすこととの関連性が疑われ、タルクの使用をやめたという経緯もありました。
化粧品のタルク|肌のバリア層を破壊して浸透
化粧品は皮膚に塗るもので、化粧品の一成分のタルクも体内に侵入までしないのだから問題はないという意見があります。
しかし、いまの化粧品は美白成分などの有効成分を肌の奥まで浸透させるために、合成界面活性剤で肌のバリア層を破壊しているうえ、
タルクも、ナノ化技術で以前と比較にならないほど微細化していて、肌に良い成分とともに、皮膚から体内にやすやすと入っていくのです。
「ベビーパウダー」は、ただれ防止に赤ちゃんの性器の周りにもパタパタつけますが、
性器の粘膜には異物を体内に取り込まないようにするバリア層はないので、赤ちゃんの体内にもろにタルクを取り込んでしまうことになります。
しかも、日になんども。
タルク・酸化チタン(不活性ルチル型)含有の化粧品、食品、避けたいが・・・
2009年に東京理科大学薬学部ナノ粒子健康科学研究センターによる、
ナノ化した酸化チタンをラットに投与した実験結果は、
「酸化チタンのナノ粒子が次世代の脳神経や生殖系に悪影響を与える」というものでした。
国際がん研究機関(IRAC)はが「発がんの可能性あり」とし、
アメリカの癌学会では「地球上でもっとも発がん性の高い5つの物質の一つ」として酸化チタンを挙げています。
しかし別の機関ではデータ不足として発がん性は認められておらず、現在でも酸化チタンは食品や化粧品などにひろく使用されています。
酸化チタン|アルツハイマー症とのかかわり
酸化チタンの吸入試験では低用量でも短期間で脳内に達することが分かっており、炎症や細胞ストレスの数値の上昇、記憶をつかさどる海馬の神経を損傷させる、という研究結果もあるようです。
酸化チタン|こんなにも多くの商品につかわれてる
酸化チタン(二酸化チタン)は、ダイヤモンドと同じ硬度をもつ金属酸化物ですが、白さをきわだたせる効果などから、化粧品だけでなく、錠剤を作るための充填剤としてビタミンその他の薬でつかわれたり、
脱脂粉乳、チーズ、ヨーグルト、マヨネーズ、チョコレート 、マシュマロ 、ファーストフード、市販ドーナッツ、トマトケチャップ・・・など多くの食品でつかわれ、食肉用家畜などのえさに混ぜて食べさせたりもしています。
*日本では一定量以上の成分については、表示が義務付けられています(ぎゃくに、たいていの成分は一定量以下なら表示義務はありません)。
また、メーカーは自社での製造段階で使用した成分に対しては表示義務がありますが、原材料に元々入っていた(仕入れる前の段階で入っていた)場合、表示義務はないようです。
食品にこれほどつかわれているということは、
酸化チタンを化粧品からとりこむのを避けたとしても、あまり意味はないということなのかも・・・。
いっぽう、タルクですが、
せめてこちらは排除したいとおもったら、
大手のS社、K社はじめ、肌に良い化粧品を良心的に提供してくれているはずのT社にいたるまで、
当サイトで調べた限りの商品(30点ほど)は、ファンデーション、アイシャドーなど粉物にはすべて「タルク」が入っていました。
(酸化チタンについては、成分に入れていないものもありましたが)
タルクのがん誘発の因果関係実証は、今後の専門機関の研究をまつとしても、
いまのところ、危険を承知で使いつづけるかどうかは個人の判断にゆだねられています。
いっそ、これを機会に「お化粧を卒業」という選択もありですが、
女性は、いくつになってもきれいにお化粧すると元気になれます。
おしゃれに気をくばらなくなると、全身の老化がすすむという話も聞きます。
タルクの発ガン性がはっきりしたとしても、潜伏期間は20~50年間という長期なので、80代以上の方はあまり心配ないのかもしれません(一定量を超えるとあぶない、というばあいを排除すればですが)・・・。
参照:ロイター電、Wikipedia、郡司和夫(ぐんじ・かずお)氏の著述、その他
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