地方にいても先進的な手術が受けられる時代が、いよいよはじまりました。
①鶴岡市立荘内病院
②国立がん研究センター東病院
①②ふたつの医療機関を、最新の〈高速通信・映像技術〉でつなぎ、
同時進行で、
東病院の精鋭医師による遠隔支援による腹腔鏡下手術が、鶴岡市立荘内病院で実施されたのです。
平均タイムラグ0.027秒という高速通信・映像技術が両院の連携を実現!
地方にいても先進的な手術が受けられるが時代に!
ついに、あるいはようやく、でしょうか。
地方にいても、移動にかかる費用や経済的負担の心配なく、先進的な手術が受けられる時代の幕が開きました。
地域格差解消への大きな一歩となる、遠隔支援による腹腔鏡下手術が実施されたのです。
待望久しい第一歩をしるしたのは、
鶴岡市立荘内病院と国立がん研究センター東病院。
荘内病院側で、国立がん研究センターの医師の指導を受けながら、第1例目の腹腔鏡下S状結腸切除術がおこなわれました。
手術はどんなふうにして実施されたの?
今回、山形県鶴岡市の荘内病院で行われている腹腔鏡下手術の映像を、
千葉県柏市にいる東病院の外科医がリアルタイムで確認し、口頭および図示で荘内病院の外科医を支援しました。
平均タイムラグ0.027秒という高速通信・映像技術と両院の連携で、安全に手術が実施されたのです。
患者さんの経過は良好で、容体も非常に安定しているそうです。
リアルタイムでの遠隔手術支援の実現は、
今後、地域の患者さんの医療の選択肢をふやし、
遠方からの移動に伴う身体的・精神的・経済的負担などを解消してくれます。
また、
・外科医不足および外科医の過剰労働にともなう指導医不足
や、新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」)などの感染症拡大がもたらす行動制限で失われる、
・手術指導・支援機会に対応する、新たな地域医療支援の方法
として期待されます。
東病院と荘内病院は、これからさらに遠隔アシスト手術の経験を積み、みつけた課題を改善していくことで、
地域のがん医療支援モデルの確立と全国への普及を目ざすそうです。
また、対象疾患の拡大や国外への展開も視野に入れ、取り組んでいきたいということです。
期待がふくらみますね!
腹腔鏡下手術ってなんなの?
ところで、そもそも腹腔鏡下手術ってどんなものなのでしょうか?
国立がん研究センター東病院のサイトによれば、
「腹腔鏡下胃がん手術とは、
お腹に5から12ミリメートルの小さな傷を5つだけつけて、細長い手術器械を挿入して行う手術。
1991年に日本で初めて行われ、すでに25年以上の歴史があり、国の健康保険で認められている手技」
だそうです。
日本では、もう25年も前からおこなわれているんですね。
腹腔鏡下手術の長所ってなんなの?
・拡大した画面でより繊細な切除が行うことができる
・傷が小さく目立たないため美容的に優れている
・術後の痛みが開腹手術よりも少なく早期回復が可能
・傷の感染などのトラブルが少ない
・手術時の出血量が少ない
腹腔鏡下手術の短所はどうなの?
・手術中、医師が手で臓器を触ることができない
・手術時間が長くなる(術式によりことなりますが、30分から1時間ていど)
・技術を習得するのに時間や経験を要するため、術者・施設間で技術の差が大きい
鶴岡市立荘内病院
国立がん研究センター 東病院とは
「国立がん研究センター」の設立は1962年。
以来、日本を支えるがん医療の拠点でありつづけていますが、
1992年、千葉県柏市に「国立がん研究センター東病院」が、増加するがん患者さんへの対応と新しいがん医療の創出を目的にに設立されました。
東病院(国立がん研究センター東病院)は、いまでは年間9,000人を超える新患の方が訪れる国内トップクラスのがん専門病院です。
「こころとからだにやさしいがん治療の実現」 をモットーとしています。
東病院の抗がん剤治療と、抗がん剤自体の開発技術は世界トップクラスの実績をもちます。
外科領域でも高難度の低侵襲手術や治療を行ってきました。
また、放射線に関しても日本で初めて陽子線治療施設を導入した病院です。
2011年、国から早期・探索的臨床試験拠点に選定されています。
2012年よりは早期・探索臨床研究センター(EPOC)の一員として、国内外の有望な治療薬の開発から承認までを行い、日本の新薬開発にもたずさわっています。
*EPOCって?
EPOCは、臨床研修のオンライン評価を行うシステムで、国立大学病院長会議常置委員会教育研修問題小委員会のもとに発足したEPOC運営委員会及び大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)によって、開発・運用されています。
*国立がん研究センター東病院は「原則予約制」です。
医師の紹介状をご用意の上、お電話で予約をお取りください。
電話番号(代表番号):04-7133-1111
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