膵臓がん(膵がん)、どんな病気?

膵臓と周囲の臓器 by国立がん研究センター ガン
膵臓と周囲の臓器 by国立がん研究センター
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膵臓がん(膵がん)は50~70歳、とりわけ高齢の男性に多いがんです。
膵臓がん(膵がん)での死亡は毎年2万人を超え、しかも、毎年増加しつつあります。

膵臓、どんな役割してる?

膵臓(すいぞう)は胃の後ろにある長さ15センチぐらいの臓器です。

膵臓と周囲の臓器 by国立がん研究センター

膵臓と周囲の臓器 by国立がん研究センター

膵臓は主に以下の2つの役割をしています。

①食物の消化を助ける膵液をつくる外分泌機能
②血糖値の調節などをするホルモン(インスリンなど)をつくる内分泌機能

膵臓で分泌された膵液は、膵管を通して十二指腸内へ送られます。

この膵液は糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいます

また、膵臓のランゲルハンス島細胞から分泌されるホルモンは、糖の代謝に必要なインスリン、グルカゴン、ソマトスタチンなどですが、
インスリンは、血液中の糖を使ってエネルギーを作ります。

インスリンが不足したり、働きが弱くなったりすると、
血液中の血糖値が高くなってしまうのです。

膵臓がん(膵がん)の症状

東京医科歯科大肝胆膵外科 MRCP:膵管、胆管が膵がんにより閉塞し、拡張

膵管、胆管が膵がんにより閉塞し、拡張  MRCP画像 by東京医科歯科大肝胆膵外科

* MRCPとは
Magnetic Resonance cholangiopancreatographyの略で、MRI装置での、胆嚢や胆管、膵管を同時に描出する検査

膵臓がん(膵がん)は、膵臓から発生した悪性の腫瘍を指しますが、
一般には膵管癌のことをいいます。

なぜなら、
膵管上皮から発生する膵管癌が、膵臓にできる腫瘍性病変の大半である80-90%を占めているからです。

膵管癌は、多くのがんと同じく、初期にはたいてい症状が出ず、早期発見がしにくいがんです。

そのため、症状が出たときは、すでにかなり進行していることが多いのです。


通常、膵管がんが進行するにつれ、
上腹部痛、体重減少、黄疸の症状がでてきます。


なかでも上腹部痛がいちばん多い症状ですが、
食事とは関係なく、背中のはげしい痛みが夜中などに長く続くこともあります。

膵臓の周囲にはたくさんの神経が分布しているため、がんが浸潤(しんじゅん)すると神経を侵し、そのため痛みも強くなるのです。

十二指腸への浸潤により、消化酵素の分泌低下、食欲減退など激しくなり栄養不良となるため、やせて、衰弱します。


肝臓は、体内の老廃物を胆管を通して腸に送り排出しています。

膵がんが大きくなり胆管がつまってくると、この排出機能が働かなくなり、胆汁中にあるビリルビン(赤血球の老廃物)が体内にたまり、黄疸がおこります《閉塞性(へいそくせい)黄疸》

このような症状は、がんの部位によって特徴が異なります。

膵頭(すいとう)部上部のがんでは、黄疸
・膵頭部中央のがんでは、黄疸と腹痛
・膵頭部下部のがんでは、黄疸は見られず腹痛が主な症状

となります。

また、膵体(すいたい)部がんと膵尾(すいび)部がんでは黄疸は見られず、腹痛や背中の痛みが主な症状です。

生存率が良好な粘液産生膵がん

いっぽう、
粘液産生膵がんは、比較的早期に発見される膵がんの1つです。

粘液により引きおこされる上腹部痛などの急性膵炎症状が早期にあらわれる事が多く、比較的早期に発見されるため、
生存率も良好なのです。

膵臓がんの原因


膵臓がん(膵がん)の原因としてまず挙げられるのが喫煙です。

喫煙が重要な危険因子とされるのは、
すべての膵臓がんの症例の約20~30%の原因になっている可能性があるからです。

タバコを吸う人は、吸わない人と比べたとき膵臓がんを発症する可能性は2倍!です。

年齢とともに膵臓がんを発症する可能性は増加します。
膵臓がんと診断された人の多くが60歳以上で、男女比はやや男性が多くなっています。

膵臓がん(膵がん)と膵性糖尿病

膵臓がんでインスリンをつくる細胞が障害されて糖尿病になることがあります。
これを膵性糖尿病といいます。

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膵臓がんで糖尿病を合併したり、糖尿病の経過中に膵臓がんを合併する人もいます。

膵臓がん(膵がん)の転移

膵臓がんから直接転移する可能性があるのはリンパ節、肝臓、腹膜(内臓を包む膜)などです。

膵臓から流れでた血液は最初に肝臓にいきます。
そこで膵がん細胞は肝臓内の血管に引っかかり、肝臓転移する可能性があります。

そのため、膵臓がんが認められると、肝臓についても注意深い観察が必要になります。

また、膵がん細胞は腹腔内(お腹のなか)にも散らばりやすく、腹膜(内臓を包む膜)に付着して腹膜転移をおこすこともあります。


参照:国立がん研究センターがん情報サービス
   東京医科歯科大肝胆膵外科サイト
   おなかの健康ドットコム

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